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コラム

20年後も後悔しない家に! 子育て世代に求められる住宅性能とは

2026.02.04

家を建てることは、人生のなかでも大きな選択のひとつです。特に子育て世代にとっては、日々の暮らしの安心や快適さだけでなく、将来の家族の変化まで見据えた住まいが求められます。けれども、目に見えるデザインや間取りだけに目を奪われてしまい、住まいの本質ともいえる「住宅性能」について十分に検討されていないケースも少なくありません。

たとえば、冬の寒さや夏の暑さに悩まされる住宅では、子どもの健康や集中力にも影響を及ぼします。また、災害への備えが不十分な家では、いざというときに家族を守りきれないリスクもあります。こうした問題を避けるためには、断熱性・耐震性・遮音性といった住宅の基本性能をきちんと理解し、自分たちの暮らしに合った住まいを選ぶことが大切です。

この記事では、「20年後も後悔しない家づくり」をテーマに、子育て世代に求められる住宅性能について、具体的な観点から整理していきます。家族の安心と快適を長く保つために、どんなポイントを重視すべきか、一緒に考えてみましょう。

子育て世代が重視すべき住宅性能とは

子どもと過ごす毎日は、成長とともに暮らし方も少しずつ変化していきます。そのなかで、家族全員が安心して快適に暮らすためには、住まいに備わる「住宅性能」が大きな役割を果たします。とくに子育て世代にとっては、目に見えにくい部分こそが、生活の質を左右する要素になることもあります。

ここでは、長く快適に暮らすために大切な3つの性能について詳しく見ていきましょう。

断熱・気密性能がもたらす快適性と健康環境

一年を通して過ごしやすい室温を保つには、断熱性と気密性が欠かせません。断熱性能が高い住宅では、冬の冷気や夏の熱気の影響を抑えやすく、エアコンの効きも良くなります。また、気密性が確保されていることで、外気の流入を防ぎ、冷暖房効率が高まると同時に、花粉やPM2.5などの侵入も抑えられます。

とくに小さな子どもがいる家庭では、温度差による体調不良やアレルギーの心配もあるため、室内環境の安定は重要なポイントです。加えて、断熱と気密を両立することで結露を防ぎやすく、結果的には、目に見えない壁の中などでのカビやダニの発生を抑える効果も期待できます。

耐震性で守る家族の安心と将来の資産価値

日本は地震の多い国でありながら、日常ではそのリスクを忘れがちです。けれども、突然起こる地震に備えるには、日頃からの住まいの安全性がものを言います。子どもを育てる住まいとしては、万が一の地震でも家族をしっかり守れる耐震性能が求められます。

たとえば、構造計算に基づいた耐震等級3(消防署や病院と同等レベル)を標準とした住宅であれば、大きな地震でも倒壊のリスク・生命のリスクを抑えるだけでなく、被災後も住み続けられる強さを備えることで、家を単なる建物ではなく、家族の避難先としても機能させることができます。

遮音性による暮らしの質の向上

日々の生活では、外からの騒音だけでなく、家の中からの音もれも、意外と気になるものです。とくに子どもが小さいうちは、泣き声や遊ぶ声がご近所に聞こえないか不安になることもあるかもしれません。そんなとき、高気密高断熱の住宅であれば、結果的に遮音性能の高い家となり、こうした心配を軽減できます。

また、外の騒音が入りにくくなることで、子どもの昼寝や就寝、勉強の時間にも良い影響を与えます。家の中でも静けさが保たれれば、家族全員が落ち着いて過ごしやすくなり、日々のストレスも減っていきます。

住宅性能が子どもの成長に与える影響

子どもが育つ環境は、心と体の発達に深く関わります。毎日を過ごす家の性能が十分に整っているかどうかは、目に見えないかたちで子どもの健やかな成長を支える要素になります。ここでは、温熱環境、音、素材という3つの視点から、住宅性能がもたらす具体的な影響を見ていきます。

室温の安定が子どもの健康に与える効果

身体が物理的に小さく、気温の変化に敏感な子どもにとって、室内の温度が安定していることはとても重要です。断熱性や気密性が不十分な住まいでは、冬は寒く、夏は蒸し暑くなりがちで、こうした環境下では風邪や熱中症などのリスクも高まります。

また、室温が場所によって大きく異なる「ヒートショック」のような現象も、入浴時などに体への負担を与えかねません。断熱性と気密性がしっかりと確保された住宅では、家全体の温度差が少なくなり、体に優しい環境がつくりやすくなります。これは、成長期の子どもにとって、免疫力や体調管理の面でも大切なポイントです。

静かな住環境が学習や睡眠に及ぼす影響

外からの騒音や家の中の生活音が少ない環境では、子どもがより集中しやすくなります。たとえば、小学生以降になると、自室での学習時間が増えてきますが、周囲が騒がしいと集中力が途切れやすく、学習効率にも影響が出ます。

さらに、良質な睡眠をとるうえでも音は重要です。夜間に車の音や近隣の物音が聞こえる環境では、眠りが浅くなりがちです。遮音性の高い住まいでは、こうした外的な刺激を抑えられるため、子どもが安心して眠れる空間を保ちやすくなります。

自然素材による安心感と情緒の育成

床や壁に使われている素材が持つ質感や匂い、見た目は、子どもの感性にも影響します。たとえば、無垢材の床は肌ざわりが柔らかく、素足で歩いても冷たさを感じにくいため、小さな子どもがいる家庭でも安心して過ごせます。

また、自然素材には化学物質を含まないものも多く、シックハウス症候群のリスクを抑える点でも安心です。木のぬくもりや自然な色味に囲まれた空間は、子どもの情緒を穏やかに育てる環境づくりにもつながります。

将来を見据えた住まいの可変性とバリアフリー性

家族の暮らしは、子どもの成長や親の高齢化など、時間の経過とともに変化していきます。その変化に住まいが対応できるかどうかは、長く快適に住み続けるための大きな鍵となります。特に子育て世代が家を建てるときには、「今」だけでなく「将来」を見越した設計を考えることが重要です。

この見出しでは、暮らしの変化に柔軟に対応できる住まいづくりについて、可変性やバリアフリーの視点から整理します。

ライフステージに応じて変化する間取りの工夫

子どもが小さいうちは、家族の気配が感じられる空間づくりが心地よく感じられるかもしれません。しかし、子どもが成長すると、勉強部屋や個室の必要性が高まります。また、独立したあとは、空いた部屋を夫婦の趣味部屋やゲストルームとして活用したいと考える方も少なくありません。

そのため、あらかじめ間仕切りの変更がしやすい構造や、フレキシブルに使えるスペースを設計に組み込んでおくことで、家族構成の変化にも対応しやすくなります。数十年先まで見据えた「変化に強い家」は、結果的に長く愛着を持って住み続けられる住まいにつながります。

バリアフリー設計がもたらす将来の安心感

若い時には意識しにくいですが、年齢を重ねると、ほんの小さな段差や階段の上り下りが負担に感じられることがあります。バリアフリー設計とは、そうした将来の身体的な変化に備えて、住まいを安全に保つための考え方です。

たとえば、トイレや浴室の手すり設置に備えた下地補強、引き戸の採用、床の段差をできるだけなくす設計などが挙げられます。こうした工夫をあらかじめ取り入れておくことで、急なケガや病気のときにも安心して自宅で過ごすことができます。

セカンドライフにも対応できる住宅計画

子育てが一段落したあとの暮らし、いわゆるセカンドライフでは、夫婦それぞれが心地よく過ごせる空間づくりが重視されます。趣味の時間を過ごしたり、友人を招いたり、心身ともにゆとりを感じられる住まいが理想です。

そのためには、日常の動線がコンパクトにまとまっていることや、将来的に1階だけで生活が完結できる間取りになっていることがポイントになります。新築時にこうした観点を取り入れておくことで、リフォームの必要性を減らし、暮らしにゆとりをもたらす住まいになります。

快適な暮らしを支える温熱環境の整え方

家の中で心地よく過ごすために欠かせないのが「温熱環境」です。とくに夏の蒸し暑さや冬の底冷えをどう軽減するかは、子育て世代や高齢期を見据える家づくりにとって重要なポイントです。単にエアコンに頼るだけでなく、家全体の性能によって温度を安定させることで、快適さと経済性を両立することができます。

ここでは、温熱環境を整えるために必要な考え方や対策について、3つの視点でご紹介します。

断熱と気密、換気を組み合わせた温度管理

冬に暖房をしてもすぐに冷えてしまったり、夏に冷房をつけても効きにくい場合は、断熱と気密のバランスが不十分なことが考えられます。断熱性能によって熱の出入りを抑え、気密性能によって隙間風や冷気の侵入を防ぐことで、効率よく室温を保つことができます。

さらに、適切な換気設備を組み合わせることで、室内の空気を新鮮に保ちながら、熱のロスも抑えられます。とくに第1種換気のような熱交換型のシステムでは、冬の暖かさや夏の涼しさを逃さずに空気を入れ替えることが可能です。こうした性能の組み合わせが、快適で省エネルギーな暮らしを実現します。

日射取得・遮蔽を活用した自然エネルギーの利用

太陽の光や熱をどう取り入れるかも、温熱環境を整える上で大切な要素です。たとえば冬場は、南面の大きな窓から日射を取り入れることで、自然の暖かさを室内に取り込めます。一方で、夏場は庇や植栽、遮光スクリーンなどで直射日光を遮ることで、室内の温度上昇を防げます。

建物の向きや窓の配置、窓の大きさ、ガラスの性能などを工夫することで、冷暖房に頼りすぎずに快適な室温を保てる住まいが実現します。これは、光熱費の削減だけでなく、環境負荷の低減にもつながる考え方です。

結露や湿気対策で保つ住まいの清潔さ

温熱環境が整っていない住まいでは、冬の窓辺や壁の内部に結露が発生しやすくなります。これが原因でカビやダニが繁殖すると、アレルギーやぜんそくなどの健康リスクが高まる可能性もあります。

断熱と気密、そして適切な換気を組み合わせることで、室内の温度と湿度をコントロールし、結露を防ぐことができます。こうした対策により、目に見えないところから住まいの清潔さと快適さを保つことができるのです。

長持ちする家に必要な耐久性とメンテナンス性

家づくりでは、目先の快適さやデザインだけでなく、「長く住み続けられるかどうか」という視点も欠かせません。住宅が長持ちするかどうかは、建物の構造そのものの強さだけでなく、維持しやすい工夫がなされているかどうかも関係しています。家族の暮らしを支える「資産」として、時間の経過に耐えうる性能を確保しておくことが大切です。

ここでは、住宅の耐久性とメンテナンス性について、具体的な要素を整理していきます。

構造躯体と基礎の耐久性が住宅寿命を左右する

家の土台や柱・梁といった構造躯体は、住宅全体の寿命を左右する重要な部分です。どれだけデザインが優れていても、構造が弱ければ数十年後に大規模な修繕が必要になることもあります。

たとえば、耐久性の高い構造材を使用することや、防腐・防蟻処理を適切に施すことによって、構造体の劣化を防ぐことができます。また、湿気がたまりやすい床下や基礎部分の通気性を確保することも、腐朽やシロアリ被害の予防につながります。これらの対策は、見えない部分で家を支える土台となります。

自然素材の経年変化とメンテナンス性のバランス

無垢材や漆喰などの自然素材は、経年によって味わいが増す反面、使い方や環境によっては手入れが必要になることもあります。とはいえ、合板やビニールクロスと比べて修復しやすく、時間とともに美しさを深めるという特徴もあります。

また、自然素材には調湿性や耐久性に優れたものも多く、室内環境を整えながら劣化しにくい点が魅力です。手をかけることで長持ちしやすくなる素材を使うことは、長期的な住まいの価値を保つうえでも有効です。

将来的な修繕費を抑えるための考え方

住宅を長く使うためには、将来的な修繕や交換が必要な部位についても、あらかじめ計画しておくことが重要です。たとえば、外壁や屋根の仕上げ材には、耐候性が高くメンテナンス周期の長い素材を選ぶことで、結果的にメンテナンス費用を抑えられることがあります。

また、給排水設備や電気配線など、隠蔽部にあたる設備についても、点検しやすい構造になっているかどうかは大きなポイントです。初期段階から修繕を想定した設計をしておくことで、突発的なトラブルへの対応もしやすくなり、家族の生活が安定します。

環境への配慮がもたらす家族と地域へのメリット

これからの住まいには、快適さや安全性だけでなく、環境との調和も大切な視点になってきます。とくに子育て世代にとっては、今だけでなく次の世代を見据えた家づくりが求められています。環境への配慮は、特別な取り組みに感じられるかもしれませんが、実は日々の暮らしの中で自然に取り入れられることが多くあります。

ここでは、省エネ性能や地域資源の活用といった観点から、環境への配慮が暮らしにもたらす具体的なメリットについて紹介します。

省エネ性能が光熱費とCO2排出を抑える理由

断熱性や気密性が高く、熱のロスを最小限に抑えられる住宅は、冷暖房に必要なエネルギーを大きく削減できます。これにより、光熱費が抑えられるだけでなく、家庭からのCO2排出も減らすことができます。

たとえば、エネルギー消費量が少ない高気密高断熱の家であれば、家庭全体の環境負荷を日々の快適な暮らしの中で、我慢することなく自然に軽減することが可能です。また、長期的に見れば、エネルギーコストの変動にも左右されにくく、安定した家計運営にもつながります。

地域材を活かした持続可能な家づくり

建材として地域の木材を活用することは、環境への負荷を減らすだけでなく、地元の林業や経済にも貢献する選択です。輸送によるCO2の排出を抑えられるほか、地元の気候風土に適した素材を使うことで、建物そのものの耐久性や快適性も高まります。

また、地域の木材はメンテナンスや修繕の際にも調達しやすく、長く住まいを守るうえで安心感があります。家づくりを通じて地域とのつながりが生まれ、次の世代に向けた住まいの在り方を考えるきっかけにもなります。

次世代に残せる住宅とは

長く住み続けられる家は、それだけで環境にやさしい存在です。何度も建て替えたり、頻繁にリフォームを繰り返すよりも、最初から丈夫でメンテナンスしやすい住宅を建てることが、結果的に資源の消費や廃棄物の発生を抑えることにつながります。

さらに、快適で健康的な住まいは、将来子どもに住み継いでもらうことも視野に入れることができます。環境負荷を抑えながら、安心して長く暮らせる家。そんな住まいは、家族の資産であると同時に、未来への責任ある選択でもあります。

日高建築工房の家づくりが大切にしていること

住宅性能の高さが求められる時代のなかで、日高建築工房では「なにも、あきらめない家づくり」を掲げ、一棟一棟に真摯に向き合っています。断熱や耐震といった基本性能をしっかりと整えながら、家族の関係性や将来の暮らしの変化にまで目を向けた設計を行うことが、日高建築工房の考える“本当に安心できる住まい”の出発点です。

ここでは、当社が家づくりにおいて大切にしている3つの視点をご紹介します。

断熱・気密・耐震性能を基盤にした設計思想

長く快適に暮らすためには、住宅の基礎性能がしっかりしていることが欠かせません。日高建築工房では、建物の構造計算を全棟で実施し、耐震等級3を基本としています。これは、災害時の拠点となる施設と同等レベルの安全性であり、万が一の災害後も住み続けられる強さを意識した設計です。

また、断熱性・気密性についても丁寧に検討を重ね、冬は暖かく、夏は涼しい室内環境を実現しています。温熱環境が整うことで、光熱費を抑える経済性と、カビや結露のリスクを軽減する住まいの清潔性にもつながります。

家族の時間と変化を見据えた間取りの工夫

子どもが成長するにつれて家族の関係性や距離感は少しずつ変わっていきます。私たちは最初に、「5年後、10年後、どんな家族でありたいか」をお客様と一緒に考えることから家づくりを始めます。

たとえば、家族の気配を感じられるリビングと、将来的に仕切れる子ども部屋。1階で生活を完結させられる間取りと、趣味や来客対応に使える多目的スペースなど、ライフステージに応じて柔軟に使える空間設計を提案しています。

自然素材と環境への配慮を両立する家づくり

当社では、肌に直接触れる床や壁に、無垢材や漆喰といった自然素材を積極的に取り入れています。これらの素材は、見た目や手触りに温かみがあるだけでなく、調湿性や経年変化の美しさも兼ね備えています。

また、可能な限り地域産の木材を用いることで、環境負荷を抑えながら、地元の資源を活かす持続可能な家づくりを心がけています。暮らしの快適さと環境への責任、そのどちらも大切にすることが、次世代にも引き継げる住まいをつくる第一歩だと考えています。

まとめ

子育て世代にとっての家づくりは、単に「今」の快適さを追求するだけでなく、「これからの暮らし」も見据えた計画が大切です。日々の安心や健康を支える断熱・気密・遮音・耐震といった基本性能は、家族を守り、住まいの価値を保ち続ける土台となります。

また、家族の成長やライフステージの変化に合わせて柔軟に対応できる間取りや、バリアフリーの考え方を取り入れることも、長く住み続ける上で欠かせません。加えて、環境への配慮や地域資源の活用といった選択は、未来の子どもたちへとつながる責任ある家づくりの一歩となります。

私たち日高建築工房では、「なにも、あきらめない」という想いをもとに、断熱・耐震・自然素材・環境性など、多角的な視点から住まいを設計しています。家族の時間を支え、次の世代にも引き継げる家を、一緒に考えてみませんか。

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