ベランダは不要?
2019.10.02
最近たまに耳にする
『ベランダは要らない』という、意見
実際、私が5年ほど前に建てた自分の家には2階ベランダは作ってません
実際に住んでみて・生活してみて、一応、メリット・デメリットをある程度理解したうえで、私の私見を述べさせていただくと
『ベランダ、あったほうが良いんじゃない!』です
ベランダの必要・不要は、そこに生活される家族の生活スタイルによって大きく意見が分かれるところではあり、それを踏まえて個々に判断していけばいいとは思います
どちらにしても、まずはベランダを造ることに対して、どんなメリット・デメリットが有るのかを見ていきたいと思います
まずは住宅のベランダとは
ベランダ・バルコニーの床面は、下地の上に「防水層」(水漏れを防ぐ層)を作り、その表面(上)に「トップコート」(防水層を保護する塗料)を塗ることで構成されています
ベランダの防水層の種類としては
1:FRP(繊維強化プラスチック:ガラス繊維等で補強されたプラスチック)の被覆防水層をつくる「FRP防水」
2:液体ウレタンの塗膜(塗料)で防水層を作る「ウレタン防水」
3:また合成ゴムや塩化ビニール樹脂で作られた「防水シート」を貼る工法
4:アスファルトを合成繊維不織布に含ませて防水層を形成する「アスファルト防水」もありますが、こちらは屋上とかに使うことが多い工法なので、ベランダやバルコニーに使われることはあまりありません
おそらく通常住宅のベランダやバルコニーに一番多く使われているFRP防水
表面には、主にグレーや水色の塗料が塗られているのを見かけることが多いと思います
この塗装が「トップコート」
トップコートには、防水層を紫外線から守る役割があり、主に「ポリエステル系」と「ウレタン系」の2種類があります
FRP防水のメンテについて
防水床の表面を触ったら手に”粉”が付くようになったら、トップコートの機能が低下しているサインです
外壁塗料もそうですが、塗料が劣化してくると、樹脂の粘りがなくなり触ると”粉”のようなものが手につきます
トップコートは紫外線によって劣化するので、よく日の当たるところでは10年くらいでこの症状が現れてきます
その時は、このトップコートを塗り替える必要が出てきます
【塗り替えの方法】
1:ベランダにあるものの移動(エアコンに室外機やプランターなどなど)
2:一度古いトップコート(保護塗料)を削りはがし
3:新しいトップコートを塗装
おおよそ工事に丸1日、トップコートが乾くのにもう1日、まるまる2日くらいです
皆さんが気になるのは、その費用
3~4畳くらいでおおよそ10万円くらい
大きなベランダになればそれだけ工事代金も大きくなります
表面に、ひび割れや、剥がれた箇所・ふくれや浮き上がった部分がある場合には、トップコートの下のもっと重要な防水層や、そのもっと下の下地が痛んでいる場合が有り、そうなると、もっと大掛かりに補修工事をする必要が有ります
このようにデメリットというか、メンテに費用も掛かるし、メンテをせずに放っておくと、雨漏りのリスクも有り、いろいろ大変ですが・・・
それでも
ここからはメリット
単純に天日干ししたお布団って気持ちよくないですか?
「天日干ししてもあまりダニはやっつけられない」とか聞きますし、”布団乾燥機”や”レイ〇ップ”が有るので機能的には代用できるはずなのですが、
そんなの関係なく、天日干しした布団って”ふわふわ”で”気持ちが良い”
ただ、寝室のある2階にベランダが無いとわざわざ1階まで敷布団や掛布団など持って降りて、また持って上がるのはかなりの重労働
奥さんが一人で家族全員の布団を干すのははっきり言って”大変”
なかなかできるものではありません
それと、もっと根本的な問題で、ここ広島や廿日市でも、沿岸部は土地が高い!
少し郊外に行っても山を削って作った住宅地ばかりで、土地の面積がそんなに広くない
そのうえ、現在は車社会
家に2台車が有るのも普通に近い
2台なくとも駐車スペースは2台分計画しておくの普通になっている
そんな広島・廿日市の住宅土地状況で、布団や洗濯物を近隣の目を気にせず、気兼ねなく干せる”お庭”を造ることも困難なことが多い
そんな時は少し大きなベランダを造りそこで布団を干したら?
洗濯物をもって上がるのは大変なら、洗濯物はちゃんと1階に物干しスペースを計画すればいい
少し大きなベランダを造り、足元にデッキを敷いて、手すりを少し高くすれば、近所が近い住宅地でも”周りの目”を気にせずく、気持ちの良い外の風を受けながらくつろぐことのできるステキな”外部空間”ができます
デッキを敷くことは見た目や、雰囲気だけでなく、トップコート(FRP防水)に直接太陽光が当たらなくなるので、防水も長持ちすることになります
住み続けるのに他にもメンテナンス費用が掛かるので、「ベランダはいらない」という意見も良く解るのですが・・・、
より良く、
より豊かに、
より快適に、住み続けるために
【ベランダ】もひとつのアイテムに成るのではないでしょうか?