エアコンつけっぱなし 実際の光熱費
2020.02.25
ここ広島・廿日市の地域もだんだんと暖かくなってきました
暑い夏も、寒い冬も良くネットで
『エアコンはこまめに消すより、”つけっぱなし”のほうが”お得!”』
みたいな記事を見かけることが有ります
エアコンを”つけっぱなし”するのか、それとも”こまめにオン/オフ”したほうがお得なのか?
普通に考えれば、エアコンの消費電力量(光熱費)は、外の温度と室内の設定温度の差が大きいほど増加します
であれば、エアコンを消して、室温が外の温度に近くなってしまう(夏ならば暑く、冬ならば寒く)と、外気温と設定温度の差が大きくなるため、よりエアコンがたくさん働かないといけないので、”つけっぱなし”にする方が”お得”というのは”理屈上”間違い無いです
ただ、そこには”重大な条件”が抜けています
①エアコンの製造年月日
エアコンは年々省エネ技術が進化してきました
ここ数年(感覚的には4~5年くらいかな)は、もう進化しきってしまった感が有りますが、それまではどんどん省エネ性能が上がていました
10年前のエアコンを買い替えると、約20%の節電
15年前のエアコンを買い替えると、約45%の節電になります
エアコンを”つけっぱなし”にするなら、2010年製以前の物は買い替えたほうが”お得”かも
②断熱・気密性能
断熱性能・気密性能が低いと、エアコンでどんだけ温めても(冷やしても)外に漏れだしてしまって、電気代がめっちゃかかります
イメージで言うとこんな感じ
穴の開いたバケツに一生懸命、水を注いでもどんどん漏れ出てしまう
断熱性・気密性を高めるということはこんな感じ
断熱性・気密性をあげておかないと、エアコンがずーっと一生懸命稼働して、電気を使い続けることになるから、実際”つけっぱなし”にして、トイレも洗面所もヒートショックが起きないようにしようと思うと、ビックリする電気代になってしまいます
エアコンを”つけっぱなし”にするなら、最低でもお家の断熱性(Ua値0.4以下)気密性(C値0.5以下)くらいにしておくのが”お得”かも
この2つの条件を満たしておけば、エアコンを付けたり消したりするより、つけっぱなしの方が電気代を節約することができると思います
『じゃあ、実際その条件を満たした家で、夏も冬も家中快適温度で過ごすと、電気代がいくらになるの?』
夏・冬とも期間を通してエアコンをつけっぱなしにして生活してもらいました
前提条件として、
断熱性:Ua値-0.27
気密性:C値-0.1
太陽光発電4.5kw搭載(売電価格30円/kw)
このお家、建築前に打ち合わせの時にご提示させていただいた光熱費シュミレーション
年間通して、
19,720円!
『年間通しても”2万円かからない” だから、”超高断熱・高気密”で家を建てましょう!』
とご提案していました
それが、実際かかった光熱費は
-52,181円!
光熱費は払うどころか、5万円以上、プラスになっていました
あくまでシュミレーションですので、誤差は出てきますが、
これが1年間、家中(玄関もお風呂も洗面も2階の個室も)どこに行っても暑くもなく、寒くもない快適な城内の家で家族が暮らした実際の光熱費です
光熱費を払う家計のお金も、
地球上のエネルギーも、
我々の世代が出しても良いCO2も
次の世代にステキな未来を残すために、すべて限りが有ります
快適に暮らしながら、大事に使って、未来の子ども達に、ちゃんとステキな未来を残していきたいものです