日高建築工房

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トリプルガラスの樹脂窓 採用する?

2020.05.29

日高建築工房の家造りは”超”高気密・高断熱が基本

なので窓は基本仕様が【トリプルガラスの樹脂窓】

『ペアガラスにします?アルミ窓にします?どうします?』とお客様に聞きません

標準・基本仕様が【トリプルガラスの樹脂窓】なのです

こんなのを使っています

 

『そこまでいるの?』

『西日本ではトリプルガラスは必要ないって言ってた!』

 

そう思われる方も、まだ少なくないかもしれません

ただ、快適な家にするために、高気密・高断熱にしていこうとすると、断熱材にこだわり、暖かく・涼しくしたいと考えていくと、この【トリプルガラスの樹脂窓】にたどり着きます

『なんで?』

『窓って壁に比べて面積が小さいからそこまで必要ないんじゃない?』

と思われる方も多いかと思いますが・・・

断熱性の高いところ(壁)と弱いところ(窓)が共存すると、弱いところに問題が集まってきます

せっかく電気代をかけて冷暖房しても、外に逃げて行ったり

結露して柱や梁を腐らしたり

そんなことが起きないように、窓の断熱性は極力高くする必要があるのです

一般に【Low-Eペアガラスのアルミと樹脂の複合窓】の熱還流率が2.33W/㎡K程度

弊社が推奨している【トリプルガラスの樹脂窓】の熱還流率が0.90W/㎡K程度

ちなみに柱の幅(105㎜)に普通の断熱材(高性能GW16k相当)を入れた【壁】の熱還流率が0.41W/㎡K程度

断熱性能は【壁】に比べて・・・

【トリプルガラスの樹脂窓】で約1/2つまり半分

【ペアガラスのアルミと樹脂の複合窓】で約1/5以下

窓はどれだけ頑張っても、普通の壁より断熱性能が劣るのです

なので、現在流通していて、手に入れられるできるだけ高性能の【窓】を採用する必要があるのです

これが快適な住空間を造り出すうえで、基本中の基本

これが結果的にはお客様のメリットになるからなのです

 

先日、お客様と打合せをしていると、以前にハウスメーカーの営業さんから

『樹脂窓は、断熱性は良いけど、劣化するので、弊社では対候性の高いアルミ・内側が断熱性の高い樹脂のハイブリッド窓!これがベストの選択肢です』と言われたそうです

・・・果たして本当にそうでしょうか?

“樹脂窓”と聞くとどうしても〈樹脂=プラスチック〉と想像してしまい、よく庭先に放置している洗濯バサミや、子供の“おままごと”で使っていた時のスコップやバケツのようにバリバリに割れたりして劣化してしまうのではないか?と思う人がいると思います

少し細かなことを言うと・・・

樹脂と言ってもいろんな種類が有り、

・ポリエチレン(PE)

・ポリプロピレン(PP)

・ポリスチレン(PS)

・ポリカーボネート(PC)

・・・などなど他にもいっぱい種類が有ります

こういった汎用樹脂(熱可塑性)(汎用プラスチック)の中で、屋外で使うとボロボロになるバケツや、洗濯ばさみのようなものに使われている樹脂って、だいたいポリプロピレン(PP)とかポリエチレン(PE)とか

そういった商品がなぜ“耐候性“が無く、主に紫外線などの影響を受けてボロボロになるのか?

酸化防止剤や紫外線吸収剤を入れることによって、劣化を防止するという技術も進んでいますが、洗濯ばさみやおもちゃのバケツは

“コスト最優先”

長持ちするように作れなくもないはずですが・・・、

100均で10個以上入って100円で売っている洗濯ばさみ

1個150円とか200円とかしたら、みなさんそれ買います???

長持ちしないように作っているので、当然長持ちしないのです(^_^;)

でも窓はそういうわけにはいかないですよね

『悪くなったから新しいものに変えようか!』

と、簡単には変えられないので!!

なので【樹脂窓】に用いられている樹脂は、同じ樹脂でも硬質塩ビニル樹脂(PVC-U)

硬質塩化ビニル樹脂(PVC-U)は、下水道管などに使われる高耐久、高強度の素材で、長期間の屋外使用でも劣化しにくいもの

とはいっても、塩化ビニル自体には、紫外線により劣化黄変する性質がありますが、可塑剤や劣化を防ぐ安定剤によって性質が変わるため、実際の【樹脂窓】は紫外線にも充分耐えられるように作られているのです

 

歴史的には・・・硬質塩化ビニル樹脂(PVC-U)は、日本では1975年に初めて【樹脂窓】に使われ始めてから、すでに世界では 50年以上、日本でも少なくとも40年以上の実績が有ります

その間、『樹脂が朽ち果ててボロボロになった!』

といった問題が起きて、生産されなくなったという話は聞かないため、耐久性の面でも実用上、問題ないと歴史や実績が表しています

もっと言うと、【樹脂窓】の故障やクレームは、ほとんどが、稼働部(ヒンジやレバーなどの金物)や密閉部(気密をとるためにあるゴムパッキンのようなもの)の劣化がほとんど

したがって、樹脂窓の長期の特性は、窓枠自体ではなく、窓枠に取り付けられた部品の耐久性、メンテナンス状況、摩耗性能によって決まります

これは樹脂窓であろうがアルミ窓であろうが”条件は一緒”

それであれば、住んでいる間ずっと快適で、ずっと経済的な【トリプルガラスの樹脂窓】を採用した方が、賢い選択だとは思いませんか?