ふと思ってしまいました! 自分の感覚は本当に正しいのか?って
2021.11.25
ふと、『セルロースファイバーって、ちゃんと密度(55kg/㎥)入っているのかなぁ~???』と疑問に思ってしまいました
日高建築工房では、充填断熱で、
”壁”は高性能グラスウールをよく使います
その理由は性能とコストパフォーマンスのバランスが良いから
こんな感じです
袋に入ってないグラスウールを隙間なく入れてその上から調湿・防湿シートを張って断熱と気密を施していきます
”屋根”の充填断熱は、種類を変えてセルロースファイバーを施工してもらいます
性能は高性能グラスウールとほとんど変わらなく、コストの面を見ると高性能グラスウールのほうが安いので、
『屋根の充填断熱も高性能グラスうーろで良いじゃん!』と机の上で、数字だけ見てるとそう思います
私も昔、そういった設計で家を建てたことが有ります
この物件は屋根断熱を高性能グラスウール300㍉というやり方でした
この物件はこの物件で、構造と施工性と木材も含めたコストバランス等いろいろ加味して、この施工方法にしたのですが、
やり方としていろんなやり方が有り、『これが完璧』というのはないのですが、日高建築工房ではとにかく断熱性能Ua値:0.3以下と約束しています
最近は、付加断熱材と充填断熱材の種類を変えて、熱の出入りのスピードを、壁と屋根それそれで、バラバラにして、冷暖房負荷がなるべく均一に・マイルドになるように!みたいなことを考えてます
まぁ、難しいことはさておき、簡単に言うと、日高建築工房の基本性能を出そうとすると、付加断熱をしても、屋根の充填断熱が今の現場で240㍉必要
高性能グラスウールだと、分厚くても155㍉しかないので、120㍉を2層入れないといけない
この”2層”というのがネックなのです
図面上だと〈高性能グラスウール16k120×2層〉この一行で済むのですが、実は施工がとても大変
”グラスウール”って文字通り”グラス”つまり”ガラス”を”ウール”だから”繊維状”にしたもの
昔のものより全然改良されてよくなっているのですが、それでも一日中、屋根に向かって上を向きながら、細かなグラスウールの粉を顔に受けながら施工するのは大変
”チクチク・ジカジカ”と”かゆく”なっちゃうのです
これでは施工してくれる職人さんも『よし!いい家造るぞ!』となかなかテンションが上がらない
しかも屋根には、母屋とか垂木とか結構入り組んでいて
隙間なくきれいにつぶさず、シワも作らずグラスウールを詰めていくのはかなり至難の業
何度か現場でお手伝いしたことも有りますが、
正直、不可能に近い・っていうか無理
断熱材って、ただ入っていれば良いという訳ではなく、きっちりきれいにちゃんと施工しないと、数字通りの性能が出ないのです
そんなこんなで、屋根は、垂木の隙間や母屋の裏にもちゃんと施工できるセルロースファイバーを選択しているのです
そんなセルロースファイバー
簡単に言うと、新聞紙をほぐして綿のようにして空気と一緒に”ボォーボォーッ”っと吹き込むのですが、吹き込む量は多くても少なすぎてもダメ
いい塩梅が1㎥あたり55㎏(±5㎏)
今まで何年もセルロースファイバーを使ってきましたが、そういえば、この量がちゃんと入っているのかどうか?の確認をしたことがなかったです
もちろん、デコスさんのところで施工の教育を受けて、ちゃんと施工資格を持った職人さんに施工してもらっているので安心して任していたのですが、
まさに【ふっと】自分の目で確認したい!という知りたい欲求が湧いてきました
今までは手で触って、断熱材の張り具合で『パンパンに入って良いねぇ~』って感じだったのですが、この『パンパンの感触』がはたして何キロの密度で吹き込まれているのか?
知りたくなってしまったからしょうがない
検査キットを持ってきてもらい、今の現場で早速検査させてもらいました
せっかくなので壁も天井も何カ所も!
まずは『パンパンに入ってるねぇ~』っていう所
ブスっと刺して
入っているセルロースを抜き取って
重さを量る
これで、表と照らし合わせてどれくらいの密度かを調べます
次は『なんか吹き込み甘くて、パンパンじゃないねぇ~。怪しくない』ってところ
次は屋根。ここも『そこまでパンパンじゃないけど、普通な感じの張り具合やね』ってところ
・
・・
・・・
結果は、【疑ってごめんなさい】
多少の誤差はありますが、まさに感覚そのまま
『パンパンやねぇ~』って所は60kg/㎥くらい
『ちょっと張りが甘いねぇ~』って所は50kg/㎥くらい
『普通な感じの張り具合やね』って所は55kg/㎥くらい
まさに【その通り】って感じでした
恐るべし施工精度!
しっかりとした制度で施工してもらえる職人さんに工事をしてもらえることは大変ありがたいことです
本当に助かります
でもおかげで、自分の管理の感覚も間違ってなかったことが確認できたので、私としても、とても良かったです
これでほぼこの現場、断熱施工が終わりました
もう充分暖かい家になってます
もちろん暖房など付けてませんが、朝一現場に行くと普通に暖かい
中で仕事している大工さんももちろん上着など羽織らずお仕事
次、もう少し気密施工をしたら、今度は気密検査です
ほぼ高断熱高気密の性能は完成
これからは、より快適に気持ちよく、美しく
造作工事に入っていきます
来年2月の引渡しに向けて、戦かな現場で職人さんたちにはまだまだ頑張ってもらいます!!