パッシブ設計の肝 ”窓”に何を求めます?
2022.11.01
やばいですねぇ~
もう11月になってしまいましたねぇ~~
つい最近まで『暑い暑い』と言っていたのに、気付けば朝晩めっきり寒くなってしまいました
こんな寒い時期には
【お日様のありがたみ】がすごく感じれますね
窓から降り注ぐ暖かな太陽の光でポカポカと”日向ぼっこ”
そんなことが出来れば、最高に気持ちのいい、ぜいたくな時間ですよね
昔から言われている
【パッシブ設計】の腕の見せ所です
そんな心地良さを引き上げてくれる窓
他にお家の窓にどんなことを求めます?
【家中を明るくする窓】
【お庭に出入りできる窓】
【気持ちのいい風を通す窓】
【家にこもった臭いを外に出す窓】
【寒い冬に暖かな日の温もりを取り込む窓】
【季節を感じることのできる外の景色を眺められる窓】
窓ひとつ取ってみても、いろんな役割が有ります
”高性能で、快適な家”といっても
何をもってして”高性能”なのか?
何をもってして”快適な家”なのか?
私の考える”高性能で快適な家”とは、ちゃんとすべてに対応できるように計画・準備された家なんだと思います
それは窓ひとつ取ってみても同じ
例えば、【家中を明るくする、光を取り込む窓】
光がサンサンと降り注いだら、冬はとっても暖かく、気持ちが良い
太陽の”熱”ってあなどれなくって、暖房費の節約に大きく貢献してくれます
ただ・・・
夏は真逆!
熱い太陽光が家の中に入ってくると、室温はグングン上がってしまいます
高気密高断熱の家だと、入って来た”熱”はなかなか外に出て行ってくれないので!
南に向いた大きな窓がかえって悪さするかも!
だから暑いときは太陽光が入ってこないように断熱のしっかりした高性能な窓を使ったり、外に【日よけのスクリーン】をつけたり
天気のいいときは明るく気持ちのいい大きな窓も、いざ台風が来るとなったら気が気ではありません
『なんか飛んできてガラスが割れたらどうしよう?』って不安で夜も眠れない
そんなときのために昔ながらの【雨戸】をつけたり
人が出入りする窓
風を取り込む窓
景色を楽しむ窓
そんな窓は開かなくてもいいかな
景色が良かったり、楽しいお庭がもし北側にあれば、北側にだって大きな窓を取り付けます
そこを愛でる心地よさが生活に潤いを与えてくれるのであれば
なんちゃって?高気密高断熱を造って、一応温熱計算もしますという”中途半端な高気密高断熱住宅であれば、”ついつい”
『南側の窓は日射取得(冬暖かくなるように)大きく』
『北側の窓は熱損失を減らすため、出来るだけ小さく(少なく)』
このいわば常識にがんじがらめにされがち
パッシブ設計の基本・温熱的・断熱性能的には確かにそれが常識ですし、一番効率のいい設計手法
でもそれはあくまで、机の上・パソコンの中の計算上の話
数字で表される室温や空調的な【快適さ】と
お庭で子供たちが元気に遊んでいるのを見て癒されたり、
お庭に生える小さな草花で心を和ませたり、
遠くの景色を眺めて季節を感じたり。
そんな【心の心地よさ】はちょっと違う
大きく立派でなくても、少しの花壇だったり、遠くの景色だったり、何かひとつでも【心地よさ】があれば、方位なんて関係なく窓を取り付けた方が良くないですか?
その窓をつけたがために”室温や空調的な【快適さ】”が失われないように、あれこれ工夫を凝らすのが、高気密高断熱・パッシブハウスの本当の知識
感覚的な【パッシブ設計】を窓ひとつひとつ、太陽熱の入り方、逃げ方など細かく計算して、本当に快適なのか?を、計算しつくし、基準をクリアさせたのが
弊社でも現在2棟、パッシブハウスを設計・施工しましたが
北側に大きな窓をたくさんつけても世界基準のパッシブハウスまで性能を高めることもできるのです
高気密高断熱の【数字だけの快適さ】が一番でなく、【心からの心地よさ】を第一に設計し、その家を【心も身体も感じる快適】にするために断熱・気密の技術を使われるべきなんです
窓ひとつひとつにちゃんと役割を持たせ、必要な場所には必要なだけの数と大きさの窓をちゃんとつけましょう!
最近テレビでまた”原発再稼働”とか節電節電と言われ始めました
テレビのコンセントを抜くのも大切かもしれませんが待機電力って平均1時間で0.3wもいかないくらい
0.3w×24時間×365日=2628w=2.6kw
40円/1kwだとしても一年間で105円
”チリも積もれば・・・”ですが、
今からお家造りをお考えの方は、ちゃんとパッシブ設計して、それをちゃんとパッシブハウスのロジックで計算して、本当に快適で省エネのお家に快適に暮らしてもらいたいです