LCCM(ライフサイクルコストマイナス)の家の地盤補強はなにがベスト?
2018.12.27
【平良山手の家】の杭工事を着工しました
この住宅は【LCCM】(ライフ サイクル コスト マイナス)の頭文字をとった言葉
『住宅の長い寿命の中で、建設時、運用時、廃棄時において、できるだけの省CO2に取り組み、かつさらに太陽光発電などを利用した再生可能エネルギーの創出により、住宅建設時のCO2排出量も含め生涯でのCO2の収支をマイナスにする住宅』(日本サステナブル建築協会のHPより抜粋)
チョー簡単に言うと、すごく環境にやさしい住宅 そんな認定を受けて建てる住宅
地球環境の悪化が年々進行しており、つい2・30年前ではめったに起こらなかった自然災害が、毎年日本のどこかで頻発しているような昨今
こういった住宅が当たり前に造られていく。そんな世の中になってほしいと思います
難しいことはさておき、今回この土地の地盤調査書を見たとき、調査会社の解析では柱状改良(地中にセメント柱を造る地盤改良方法)と選定
しかし、調査データを眺めていると地中1.5メートルくらい下に、なんとなく気になる地層が
どうも腐植土の層っぽい気がしました
腐植土だとセメントが固まらないので柱状改良が成り立たない
正確に調べるにはボウリング調査といってもっと詳細の調査が必要になり、改良工事の金額ぐらいの調査費用が必要になってしまい現実的ではない
水位も1メートルくらいと高い位置に存在することを勘案して、今回はプレゼントデザインさんとも相談して、【環境パイル】(木の杭)を選定させてもらうことに
【木杭】は昔からあるのですが、最近は他の工法がたくさんあり、あまりメジャーではないですが、水位が高く水の中に杭が沈んでいると、酸素供給されないので腐食のリスクが一気に下がる。腐植土の影響も少ないので【木杭】を選択
環境にやさしい【LCCM】住宅のコンセプトにも合致するのでこの選択がベストの選択かと
狭い道路に大きな重機と防腐処理された大量の木杭が搬入
位置出しは、事前に行っていたのですが、信じてもらえず??
イチから杭工事屋さんが位置出し(^_^;)
『合ってました』だって。そりゃそうだ\(^o^)/
工事自体は、穴掘って、木杭を圧入する
実にシンプル
ただこの杭がこれからずっと家を支えてくれることになるので、ありがたいものです
広島、特に瀬戸内沿岸は地盤の弱い住宅地が多いです
杭工事が必要になることも多いですが、杭の種類や杭の位置など建築屋がちゃんと構造計算して、地盤の勉強をすれば、言葉は悪いですが、調査会社の言いなりになることなく、対等に会話し、より良い工法を選択していけるものだと思います
なんだかんだ、日々、勉強ですね(^_^;)