自分の家で生活し続けたい
2019.12.16
今日はちょっと真面目な、でも家造りをするにあたっては、とても大切な事
『終の住処(ツイのスミカ)』
終の住処とは、人生の最後を迎えるまで生活する住まいのこと
今年、引き渡しをさせて頂いた物件のひとつも『終の住処』をコンセプトのひとつとして建てられた住宅
現在高齢化社会の突き進んでいる日本
厚生労働省の資料(2016年)によると、日本人の平均寿命
男性:80.98歳
女性:87.14歳
その中で健康寿命(日常生活が健康上の問題で制限されない期間)は
男性:72.14歳
女性:74.79歳
平均寿命と健康寿命の差は
男性: 8.84歳
女性:12.35歳
つまり、健康を害し、日常生活が制限される生活が男性で約9年、女性で約12年有るのです
そんな不自由な約10年間、どこで、どうやって過ごすか?
家造りする時に、しっかり考えなければいけないこととしては
子どもが小さい時の【子育ての10年間】と同じくらい重要なことです
身体の自由が利かなくなって『介護施設に入る』ということもひとつの選択肢ですが、
そもそも『入れるのか?』という問題も一方で有ります
それはそのような施設が、望んでいる場所にちゃんと在るのか?
在ったとしても金銭的にお金が用意できるか?
それはそれで大きな問題ですが、私は家を造る工務店
できる限り住み慣れた、いろいろ家族との思い出の詰まった『自分の家で生活し続けたい』というのは、ごく自然な考えだと思うし、それをちゃんと実現できる家造りをしていくのも、工務店としての責務なのではないかと考えています。
ただ、今は元気な状態の時に、介護される自分を想像するのは難しい
というか、自分の身体にどういった不具合が出るのかなんて誰も分からない
なので、介護用に家を造るのではなく、もしそうなったときに簡単に対応できるように備えておくことが必要だと思いまう
それでは家造りをする時に、最低限考えておかなければいけないこと
①”超”高断熱にする
・ヒートショックや熱中症の防止
・血圧低減効果
・家中快適なので活動量の増加による健康寿命の延伸
・電気代を気にせず冷暖房のスイッチを入れられる経済的メリット
②対応可能な構造計画
・トイレ、洗面、脱衣室など間仕切り壁の撤去可能にしておく
・介護する部屋を大きくしたり、収納を増やしたりできるようにしておく
(着替えや介護ベット・車いすや介護する方のイスなど、実際は必要なモノが多く、思っている以上にスペースが必要になります)
③対応可能なプランニング
・介護する部屋から道路までの導線を確保しておく
(玄関からだけでなく、掃き出しから庭を通って車まででもOK)
・外部との出入りの時に雨に濡れないか?
(通院・通所するときに、いつも晴れているとは限りません)
・介護する部屋から水回りまで手すりが設置できる下地を入れておく
(右側か?左側か?両方か?力が入る方が、その時にならないと分からない)
・開き戸でなく引き戸
・縁側やテラスなど半野外空間の設置
(なかなか外に出歩けなくなっても、外の空気・日差しを浴びれる)
・風通し、換気等、空気がこもらない工夫
・・・などなど
可能な限り元気で永く思い出の詰まった家で暮らす
これってある意味、最高の贅沢なのかもしれません
家造りをするときに、一緒に[最高の贅沢]を手に入れてみるのも良いとは思いませんか?