快晴の地鎮祭 地盤補強は環境にやさしい木杭で
2021.04.13
この週末地鎮祭を行った物件も、海沿いの宮島口
当日は天気も良く”いいスタートが切れた”って感じ⤴
・・・ですが、地盤調査データはイマイチ⤵
地盤保証会社によっては、改良工事なしで保証を付けてもらえるくらいの微妙なデータ
設計者であり、施工者である私は、私の造る建物には、大きな責任があります
構造のことは・・・
温熱環境のことは・・・
デザインのことは・・・
もちろん得意・不得意は有りますし、自分の能力の足りないところは、もっと知識の高い方々の知恵を借りながら、
自分の建てる建物の、全てに責任を持つ
もちろん建築士の試験には、ほとんど出てこない地盤のことも、同じ
ちゃんと調査データを理解し、読み取り、どう対処したらいいのか?
自分で計算した基礎の構造計算書を見ながら、『ここには荷重が多くかかるなぁ~』ってなことを見ながら、杭の配置を考えながら・・・
設計士として責任を持って判断しないといけません
もちろん、専門の調査解析していただく設計部門の方と相談、議論しながら
ひとことで地盤補強・杭工事といっても、たくさん種類・工法があります
表層改良・鉄管杭・現場打ちコンクリート杭・砕石杭・木杭・・・
その中で今回は”木杭”をチョイスしました
”木杭”は弊社の近所でもある【LCCMの家】で採用したことのある地盤補強工事の工法のひとつ
『木杭って、木は腐らない?』
『地面の中は湿っぽいし!』
『シロアリに食べられたらどうするん?』
普通に考えたら、そんな心配が頭をよぎります!
ある意味、それは正しいです!!
ただ、【木が腐る・シロアリに食べられる】
そのメカニズムというか理由をちゃんと理解すれば、それを避けて通ることができます
そもそも木が腐るには・・・、
腐朽菌という細菌が”木”を腐らせます
実際、家がダメになる時の多くは、雨漏りして、木が湿ったり、お風呂など水回りの水漏れから染み出した水が、土台を腐らせたり
全部”腐朽菌”のしわざ
その恐ろしい”腐朽菌”が繁殖するには
材料(木自体)と水と空気(酸素)
この3つの要素が不可欠なのです
同じく木造住宅の敵!シロアリも同じ
木と水と空気が全部ないと、シロアリは生きていけない
逆に言えば・・・
どれかひとつでもこの要素が欠けると、腐朽菌もシロアリも生きていけない
つまり木が腐らないのです
広島でも瀬戸内沿岸部の多くは地下水位が高いところが結構あります
川の近くだったり、水路が近くにあったり、海の近くだったり
3大要素(木・水・空気)が全部そろわないと木は腐らない
雨漏りも、水漏れも3大要素がちゃんと存在してしまってますが、地下水位の高い場所で、地下水の下に埋め込まれている”木杭”は3大要素の一つ(空気)が存在してません
なので理屈上は腐ることなく、永く家を支持してくれるのです
数年前に建替えられた1910年ごろに建築された東京駅丸の内駅舎の基礎下に施工されていた木杭が、ほぼ原形を残したまま腐らずに存在していたとニュースになったのを覚えている方もいらっしゃると思います
条件を満たせば、木はとても長持ちする建築資材なのです
梁や柱もですが、杭も
いろんな条件をクリアして、いろんな杭工事と比較してベストな選択肢として浮かび上がってきたのが、今回の現場は”木杭”だっただけで、
いつもいつも『環境にいいから♪』と選択肢がひとつなわけではありません
今回は地盤補強工事として、しっかり”木杭”を施工しました
まだ申請中ですが、この物件も長期優良住宅で耐震等級3をしっかり確保してます
地上の建物もしっかり”安全”でもちろん”高気密高断熱”の家ですが、地面もバッチリです
やはりせっかく注文住宅を建てるなら、どこを切っても”バッチリ”な家が良いですよね