二世帯住宅を高気密高断熱(パッシブハウス)で建てる! メリット・デメリット
2021.07.24
【二世帯住宅】
おじいちゃん・おばあちゃんと、お父さん・お母さん、そしてお孫ちゃん
みんなで仲良く、協力し合いながら楽しく暮らしていく
なんだかサザエさんのような話
古臭く、この令和の時代にはそぐわない???
はたして本当にそうでしょうか?
実際、現実問題として、土地が少ないこの広島・廿日市地域で
土地を買って、自然素材をふんだんに使い、本物の高気密高断熱の家を建てようとすると、
どうしても予算が・・・
どうしても1馬力の収入では現実的に難しいと思います
そうすると、どうしても子供は保育園に預けて、夫婦共働き
これって現実的に、広島・廿日市でも良くある話
ご両親からの資金援助や今建っている家を建て替えて、この際、ご両親と二世帯住宅で一緒に楽しく暮らす!というのもステキではないでしょうか?
子育て経験豊かなおばあちゃんが近くにいてくれると、それだけで安心ですよね♪
ちょうど今、絶賛設計進行中の家も二世帯住宅
ここはパッシブハウスまでは持っていきませんが、
それでもその辺にゴロゴロ転がっている【なんちゃって高気密高断熱】とはレベルの違う
【本物の高気密高断熱】
標高が高く盆地なので、冬寒く、夏暑い地域ですが、きっとあまりの快適空間に、驚いてもらえることになると思います
昨日、基本プランはほぼほぼOKをいただいたので、契約に向けての詳細見積を作成していく段階に入りました
先日、施工例で最近アップした【こころパッシブハウス】も三世代が一つ屋根の下で仲良く暮らすいわば二世帯住宅
二世帯住宅を高気密高断熱の最高峰【パッシブハウス】で建てたのですが、
二世帯住宅を建てるうえで、
- 良い点(メリット)
- 悪い点(デメリット)
- 注意する点(ポイント・コツ)
などを書いてみようと思います
まず”二世帯住宅”を建てるにあたって、自分の家族にとって最適な”二世帯住宅”はどのタイプか??
大きく3つのタイプに分けることが出来ます
【分離型】
文字通り親世帯と子世帯が玄関もリビングやキッチンなども完全に独立した造り
しっかり二世帯の距離をとり、プライバシーを確保しつつ、とはいっても一つ屋根の下で暮らしているので、もしもの時にはすぐ駆け付けられるという、俗に言う”スープの冷めない距離”を保てるのが特徴です
自邸でもある【山陽園の家】はすでにある母屋の横に、後から建てたので、まさにこのタイプ
このタイプのメリットは、何といっても各世帯のプライバシーがしっかり守られやすいというのが最大のメリット
かつ、何らかの事情でどちらかの世帯をリフォームとか賃貸しとかすることになっても、一番対応しやすいタイプとなります
デメリットとしては、完全分離型の二世帯住宅を建てようとすると、敷地も建築面積も大きくなりますし、キッチンやお風呂など、住宅設備も2件分必要という事で、コストが一番多くかかる造りになります
また、ほかのタイプより独立性が高い分、お互いのコミュニケーションの機会が少なくなりがちなこと
【部分共有型】
”玄関だけ”とか”風呂・洗面などの水まわりだけ”とか”リビング・ダイニング・キッチンだけ”住宅の一部を二世帯で共有し他の部分を独立させる造り
このタイプのメリットは、各世帯の独立した部分と共有部分を造ることで、個々の家族にあった最適な”距離感”を造り上げることが出来ます
また住宅設備を共有するという事で、設備コストが少なくて済みます
デメリットとしては、共有エリアがあるという事は水回りの音やテレビの音、足音などの生活音がそれぞれの寝室などのプライベートゾーンにまで響かないように、建築的な配慮が必要になってきます
【同居型】
これは文字通り、寝室以外のすべてスペースを二世帯で共有する造り
このタイプのメリットは、起きて生活している時間は、ほとんど同じ空間で暮らすため、より家族の距離が近く、リビングでみんなで楽しくくつろげたり、少し広めのキッチンでおばあちゃんとお孫さんでお料理をしたりと、二世帯住宅の”良さ”を存分に味わうことが出来る造りです
デメリットとしては、設備をすべて共有する分、忙しい朝にトイレや洗面台などが混雑してしまうなど、生活導線の重複が起きやすいので、家造りの段階で、綿密な計画と工夫が必要になります
また、3世代が一緒に暮らすとなると、『おじいちゃんは朝早く起きて毎日散歩する』とか『子供は夜遅くまでテレビを見る』とか、世代間の生活リズム・時間が違うことが多いので、音や光に関してもお互いのくつろぎや、睡眠を邪魔しないよう、十分配慮する必要があります
今から二世帯住宅をお考えであれば、どのタイプが自分たち家族にとって一番ストレスがなく、笑顔あふれる【サザエさん家】のような家庭が築けるのか?
注意するポイントとして
・生活リズムの違いを確認
(これがちゃんと見えてくれば、最適な間取りが見えてきます。現在と、未来両方しっかり考えること!)
・各世帯の収納スペースの確保
(日々使う物と、なかなか捨てられない物、2世帯分なので量が尋常じゃないかも!)
・将来の介護を見据えた計画
(最後をどこで迎えたいか?介護をするには健康な時とは違った導線やスペースが必要になります)
・光熱費の支払いをどうするか?
別々で暮らしていた二世帯が一緒に暮らし始めると、光熱費が単純に2倍とはならないですが、普通なら1.3倍~1.6倍くらいになるのが統計上の数字
それぞれの世帯で別々に支払うなら、電気メーターやガスメーターも二つ必要
でも、二つ設置すると、基本料金も二世帯分に。どんどん光熱費が高くなってきます・・・
ここで効果を発揮するのが、本物の”高気密高断熱住宅”
パッシブハウスをは筆頭に、ちゃんとした高気密高断熱住宅を建てれば、家族みんなが、快適な室温で暮らせるだけでなく、
一年間で快適な室温を維持し続けたときの光熱費がちゃんと判るのです
ちゃんと温熱計算をするから!
『○○工法だから夏涼しく・冬暖かい』とか
『高性能な◇◇断熱材を使っているので夏涼しく・冬暖かい』とか
そんないい加減な(なんちゃって高気密高断熱)じゃなく、パッシブハウスをは筆頭に、高気密高断熱住宅は施工精度も含めて”ちゃんと”しています
断熱材の施工精度・気密性・通気・防水・防湿・太陽光の取り込み方や遮り方など、すべてを管理し、制御します
【本物の高気密高断熱】はそう簡単ではないのです
ただ、しっかり計画し、しっかり施工すれば、しっかり家中が快適になります
そうすれば歳が離れた三世代・二世帯の家族みんなが快適で、よりストレスの少ない、笑顔あふれる家が造れます
二世帯住宅は何といっても、家事や子育て・育児を助け合えるのが最大の魅力・メリットです
でも、それぞれの家族によって要望や家族の距離感はみんな違うので、高気密高断熱の家もそうですが、二世帯住宅の造り方もそれなりの経験と知識が必要です
ちゃんとした経験を持った工務店・設計士と共にじっくり話し合い、
二世帯住宅のメリットを最大限に出せるように
二世帯住宅のデメリットをしっかりつぶして
家族みんなが笑顔でいられるように、快適な家(本物の高気密高断熱)を造ることをお勧めします