日高建築工房

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基礎工事ってどこまで管理してくれてると思います???

2022.06.05

また新たなプロジェクトが動き始めています

現在絶賛”基礎工事中”

農家さんとか、雨水を必要な方には申し訳ないのですが、仕事柄、

『梅雨に入るな!入るなぁ~!!』って毎日お祈りしています

先日、第三者機関の配筋検査を受けました

もちろん何もなく検査は”合格”

暑いくらいの最高な晴れ間に外周の立ち上がりと、ベースコンクリートを一体打ちできました

基礎の一体打ちするメリットはたくさんあり、そのことについては以前にもブログで書いたのでハショリますが、改めて住宅の基礎って

”実は”

【本当に安全で、安心なのか?】

って分からない仕組みになってしまっているのです

長期優良とか、住宅性能表示とか、取得しない限り、基礎の構造計算の提出は誰にも求められない

『建築確認申請するときに、役所に提出してちゃんとチェックしてもらっているんじゃないの?』って普通思いますよね

でも住宅は、訳のわからない【4号特例】っていうものが有って、

『建築士がちゃんと計算して安全を確かめていれば、書類の提出はしなくて良い。役所や検査期間はそのチェックは行わない』という仕組みになっていて、その仕組みを都合の良いようにとらえて、基礎の構造計算をしていない家がたくさん!

耐力壁の簡易計算・基礎の仕様規定だけで家が建てられちゃいます

先ほど言った、長期優良とか、住宅性能表示とか取得していない家はまずほとんど、基礎も、木組みも計算していない

信じられないかもしれませんが、実はそれが現実・・・

弊社は、最初から【長期優良住宅は全棟認定取得】を条件にしてるので、もちろん全棟構造計算をしていますが、『構造計算している』からって【本当に安全で、安心なのか??】

もちろん計算をしていない家より格段に、安全性は高まります

だって仕様規定で計画した基礎、構造計算にかけると、ほぼ100%”NG”になるから

ただ、”計算”はあくまで、”計算”

↑↑↑コンクリートの強度とか

↑↑↑地盤の地耐力とか、計算上で設定しますが、その根拠と、確認、してますか?って

例えば地盤補強工事

広島は、山を切ったり盛ったりの”切盛り土”だったり、川や海沿いの”砂質土”であったり、結構、地盤補強工事必要と判定することが多いです

その時、地盤をどのくらいの強度を持たせるかって、建築士が決めなきゃいけないんです

だって基礎の構造計算するときに、『地面の強さはこれくらい』って決めないと、地中梁の強度とか計算できないから

だから地盤補強の計画を立てる時は、地耐力をこれくらいで設計するからこれくらいまでの強度の出る補強工事(杭の本数や、長さ等)を一緒に相談して計画していきます

【地盤補強会社にお任せ】なんて、もってのほか!

次に、

【第三者機関の配筋検査】もちょっとどうかと

この検査って、構造上安全かどうか?の建築構造的に専門的な検査ではなく、あくまで、施工業者が提出した図面通りに施工してるか?という検査

・・・構造計算もしていない、なんの根拠もない図面でも、それ通りに施工してれば、晴れて【第三者機関の配筋検査、合格!】となるのです

どうなんですかね???

ちゃんと計算して、ちゃんと検査を受ける

当たり前ですが、それでやっとでスタートラインに立っただけ

それで完ぺきな基礎ができるわけではないんです

コンクリートって、暑かったり寒かったり、打ち込むときの施工状況によって品質の差が大きく出ます

なのでどこまで丁寧に施工するかで、硬いコンクリートになったり、ちゃんと固まらないコンクリートになったり、ひび割れするコンクリートになったり・・・

先日のコンクリート打設状況です

まず、運ばれてきたコンクリートの配合が設計通りかの確認

後はどんどん打ち込んでいくのですが、打ち込むときはバイブレーター(振動機)で、コンクリートがデコボコした鉄筋の裏にもちゃんと回るように打ち込んでいきます

最近は住宅の規模なら充電式のバイブレーターが有るので、コードをつながなくて済むのでだいぶん楽になってます

それから”タンピング”という作業

タンピングとは、コンクリートを打設した後に、コンクリート表面をタンパーという道具で繰り返し叩いて、締め固める作業をします

そのあとに一回金ゴテでしっかり押さえます

表面をきれいにするだけじゃなく、しっかり押さえることでコンクリートの中の気泡の排出や、沈み込みの防止、骨材の浮き上り防止などの効果が有ります

周りの工事現場を見てると大体この作業でコンクリート打設工事を終わって帰る会社さんがほとんどかな?

なので、コンクリートを打つポンプ車が帰ったら、1時間もしたら、現場から誰もいなくなってます

でも、日高建築工房の基礎工事はまだ作業工程が残ってます

季節によって時間は全然違うのですが、今ごろの季節の良い時期は、一回金ゴテで押さえて、30分程度すると、いったんコンクリートの表面から水が浮いてきて、それがまた乾き始めます

そのタイミングを見計らって、”かんじき”という忍者が水面を走る時には履くやつ?

これを履いて、固まりかけたコンクリートにまた乗って、改めてコンクリートをプラスチックこてで押さえます

ここでしっかりコンクリートを再度押さえることで、抜けた水分の空隙とか、コンクリートが鉄筋の裏に廻ってできた隙間やひび割れを再度抑え込んでつぶすことが出来るのです

この作業をすることで密実で、頑丈なコンクリートになります

大規模な建設現場では当たり前の作業ですが、住宅でこの作業をやっているところはあまり見たことが有りません

今の時期は30分程度といいましたが、冬とか、寒い時期は、1~2時間待たないとこの作業ができないので、すごく手間がかかります

冬は朝からコンクリートを打っても、押さえ終わるのは夕方とかになってしまうことも有ります

でも”一番”といってもいいぐらい大切な作業工程

そのあとに、再度、表面をきれいにするために金ゴテで押さえて晴れて作業終了

完成したら目にすることはないのですが、すごく大切な文字通り”家の基礎”なので、手間暇かけてやってます

もちろんコンクリートがちゃんと固まっているかの確認をするために、サンプルを採取して検査機関で圧縮検査(強度試験)もしています

チャチャっと半日で作業を終えた基礎と見た目はあまり変わりませんが、【安心・安全】って、見えない作業の積み重ねなんです

本当に高性能で高気密高断熱の家って実は、たくさん見えなくなっちゃう作業が有るんですよ